友人の職場があったりとある試験を受けに行ったりと何かと縁のある御茶ノ水。そこに一際雰囲気のよい酒場があると聞いたので行ってみたら静かで雰囲気がよくて料理も日本酒も抜群に良かったって話を書きます。
場所と雰囲気
JR御茶ノ水駅または丸の内線の新御茶ノ水駅から徒歩5分、東京医科歯科大学と湯島聖堂の脇を抜けて湯島方面に歩いたところにある。本当にこんなところに酒場があるのか、といったビルの2階。入り口の見た目は事務所の入り口かビル管理人の通用口のようである(失礼)。お店の前には一応看板らしきものが置いてあります。

看板…
中に入ると雰囲気は一変。店内は程よく薄暗く手前には器や道具が並ぶスペースがある。奥にはカウンターに横並びの席が10名分ほど。使い込まれたと思われる古い酒器や棚が配置されていて独特の空間を作っている。
マスターは「静かめ酒場」の名の通り寡黙なのだけど、柔らかい客足らいが心地よい。注文はコースの流れになっていて①前菜→②刺身→③火入の料理→④あて系→⑤〆が基本形。
ところが…例えば②から⑤まで、⑤は除いて、〇〇食べたいから①に入れて、と言うようなリクエストには柔軟に対応してもらえるみたい。なんだこれとてもいい!と言うわけで、神亀のひやおろしと基本コースを〆なしでお願いしました。
前菜、刺身、茶碗蒸し
まずはお通し。小松菜と春菊のおひたし明太子和えとかぼちゃのすりながし。春菊の香りが爽やかで、出汁の旨味に明太子の塩気が絶妙な一品。すりながしはまろやかミルキーでとても美味しい。かぼちゃの一番甘くて美味しい部分が存分に溶け込んでいる。

お通しおいしい…
一品目は前菜3皿、京人参と新ごぼうのきんぴら、きのこと芹のおひたし、れんこんの南蛮漬け。新物の野菜はシャキッとした食感が素晴らしく、ついさっきまで土に埋まっていたかのような生命力を感じる味わい。季節物を味わうとはこういうことなのかもね。

一品目
刺身はたこ、かわはぎ、金目鯛。たこはグニグニとした食感がよく旨味のある味わい。かわはぎは肝を身で巻いてある造り。臭みはなく濃厚な味わい。美味しい。

刺身
そういえばちょっと前からいい香りがするなーと思っていたら出ましたよ、しじみと松茸の茶碗蒸し!松茸の香りと旨味がまあすごい。中にはむかごが入っていて食感も申し分ない。おいしいおいしい日本酒が進む。

香りがやべぇ
あて系と追加のお料理と酒
コースの最後はあて系。海老芋の唐揚げと牡蠣のフリット。海老芋は酒亭田中さんで何度も食べていてとても気に入っている食材。ここまでくると牡蠣のフリットも当然美味しいのだけれど、新生姜のタルタルソースに度肝を抜かれました。タルタルソースって刻んだ漬物入れときゃうまいでしょ?的なところありますよね柴漬けとか。新生姜はそれの最高峰。

タルタルソースうま過ぎ問題
こちらのお店はポーションが小さいのでもうちょっと食べ飲みしたいなということになり2品追加。最初からしめお願いしておけば良かったね…。追加一品目は穴子の煮凝り。プルプルとした食感で舌の熱でスッと溶けていく。生姜の爽やかな香り、穴子や調味料のまろやかな風味、それに出汁の旨味がどーんと口の中に広がる。必食の一品です。

必ず食べるべき穴子の煮凝り
最後は小肌の酢締めガリ巻き。小肌は塩と酢がバチっと決まっていてガリには心地よい甘みがある。添えられた海苔で巻いて食べると磯の香りがプラスされてどうしようもなく燗酒が進む。これは良い食べ物だ。

思わず唸る小肌
最後に、このお店ではメニューに載っていないお酒がいくつもあるらしく、銘柄を指定するといくつか紹介してもらえる。この日飲んだ物で特に気に入ったのは日置桜の熟成酒。力強さと熟成による丸みを帯びた香りの良いお酒だった。

おいしかったなぁ…
ふらっと寄って2、3品つまみながら美味しい日本酒をちょろっと飲むみたいな使い方もできそうなお店。またお邪魔したい。ご馳走様でした。
飲んだお酒↓
|
|
コメント