静かな大人の焼鳥酒場、八丁堀「さくら家」を訪問

八丁堀

思い立った当日に予約が取れて焼き鳥も気の利いたつまみも美味しいのに、飲んで食べても5000〜6000円の焼き鳥屋さんはこのご時世すごく貴重な気がする。八丁堀界隈はそんなお店で溢れていてこちらもその一つ。

場所と雰囲気

JR八丁堀駅A2番出口から徒歩2分。創業100年と言われる老舗酒場だけど外観は新しく、中に入ると綺麗なカウンターとお店の方が迎えてくれる。

落ち着いたカウンター席ではシャワシャワと串が焼かれる音が楽しめる。団体用のテーブル席は仕切られた別空間にあり、カウンターの一人客が静かに飲めるお店づくりが窺える。いい空間だなぁ。

入り口

焼き物は220円からと良心的な価格設定。昔ながらのアラカルトが基本のようだけれど「おまかせもできますよ」とのことで、まずは8本おまかせでお願いした。

瓶ビールを注文してメニューを物色。鳥の青たたき、多分隣の常連らしきおっちゃんがつまんでいるものだろう。薄く切られたピンク色の美しい鳥たたきに青ネギがたっぷりとかかっているうまそう。あと日本酒が充実していたのは嬉しい誤算だ。

メニューでワクワクした気分を切り裂くように登場したお通しの背肝のソース煮。これが驚くほど美味い。酒亭田中さんで食べてから背肝という部位が大好物なのだけれど、濃厚な脂の旨味にほんのりソースの酸味がとてもチャーミングな逸品。どんぶりで食べたい。

どんぶりで食べたい(2回目)

焼き鳥前半

まずはつくね。表面が香ばしく焼き上げられ、よく練られたと思われる身はサクサクでジューシー。味もさることながら小ぢんまりとした串の佇まいがまたいい。こういうお店はだいたい何食べてもうまいもんです。

つくね

砂肝。サクサクとした歯触り、程よい塩加減で旨味も感じられる。

砂肝(美しい)

続いてミツバ巻。ささみで巻いてあるらしいんだけど、青みのある爽やかな風味があるのと野菜のおかげで中がしっとりと潤っていて大変面白い一品だった。これはうまい。

中しっとり

鳥なんばん、つまりねぎま。しっとりと柔らかいもも肉と甘い香りの長ネギ。強火でガッと焼くタイプもいいけど、じっくり焼き上げた綺麗な身の焼き鳥もいいなぁと思わせる。

たれ焼きが魅力である

コブクロ。鳥のこぶくろは初めて食べたかもしれない。やきとんでは弾力があってサクサクとした食感と独特の香りが特徴。こちらは身は小さいながらクニュクニュとした食感で意外と味わい深い。これは良い部位だ。

歯触りが独特でよい

焼き鳥後半

後半戦はきんかんから。これは間違いない。中が半熟でひたすらうまい卵。「中身が熱いので気をつけてください」って言われたけど本当に熱かったですね(火傷しがち)。

半熟のきんかん

鴨なんばん。鳥なんばんと”対”をなすねぎま系たれ焼きで、こちらはししとう焼きが挟まっている。ししとうって大人になる過程で突然美味くなる野菜よね。青みがあってスパイシーで鴨肉にちょうど良いアクセント。白眉のひと串。

これはうまい鴨

手羽先。じわっと脂が効いた骨周りとサクサクさっぱりとした部位の対比が面白い。これもいい面構え。

佇まいに惚れる…。

皮。以前はあまり好きではなかったけど、いつの間にかおまかせで出てこなかったら自分で追加する部位になってしまった。脂とタレの甘みが絶妙で良い。

かわ

忘れた、ペタないしはハツモト

酒場の達人たちが一人また一人と焼き鳥つまみながら粛々と飲んでは店を後にする、そんな場所。静かな大人の焼鳥酒場です。ごちそうさまでした。

最近飲んで美味しかった日本酒↓

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