いきなりこんなこと言うのは失礼だけれど、自分としてもなぜこのお店に入ったのか、「気になったから」としか言いようがないのですが、スペイン中を旅して回ったシェフが作る温かい郷土料理が食べられるうま面白いお店。大衆酒場とか好きな人には刺さりそう。シェフの写真付き旅行記も読み応えがあってとても面白いです。
場所と雰囲気
場所はJR亀戸から徒歩5分ほど。酒屋のやまやを右手に見ながら通りを進んでいくとオレンジ色の扉が見えてきます。店前に置かれている両手フライパンで作られた看板といい、雰囲気ありすぎるでしょこれは。

惹かれる外観
中に入ると左手側がやや高さのある長いカウンター席で右手はテーブル席。みるからに一人客と思しきのおじさんがぽつんぽつんと二人、料理とお酒を楽しみながらペラペラと分厚いファイルをめくっている。こういう酒場でソロおじさんの背中から放たれる安心感にはいつも感心させられます。
カウンターの上部にはメニューが書き込まれた黒板がぶら下がっており、日替わりタパスの冷菜、温菜、魚料理やメインの肉料理がびっしりと書き込まれています。カウンターの上には分厚いアルバム。シェフのスペイン旅行を記録した写真がメモとともに綴じられています。

メニュー(一部です)
定番のタパスからサルチチョンと夏野菜の煮込み、それに冷菜のサルピコンを注文し始めていきます。図らずも野菜多めのヘルシーな選択となりました。ビールがうまい。

ビール
タパスと冷菜
まずは夏野菜の煮込みです。ラタトゥイユ的なものかと思いきや、結構細かく刻んであってスプーンで掬って食べるような仕立て。トマトがふんだんに使われており甘酸っぱさがあります。シャばいビールの当てとして申し分なし。

夏野菜の煮込み
お次はサルピコン。魚介と野菜を細かめに切ってマリネした料理です。この日の魚介はイワシとタコ。ワインビネガーの効いた屈託のない調味です。さっぱりとした白ワインでいただきましょう。

サルピコン
白ワインはカヴァの主要品種でお馴染み、マカベオ・チャレッロ・パレリャーダ、のマカベオです。

真壁尾です
サルチチョンです。これはイベリコ豚のソーセージを薄くスライスしたもの。要はサラミです。ほんのり黒胡椒のようなスパイスの香りと脂の甘みがあってこれがまたうまい。脂分が甘く塩気もそれなりにあるのでパンに乗せて食べても美味しそうだなと。

要するにサラミです
シェフの写真旅行記をパラパラめくる。これが本当に面白くて、旅先で訪れた場所、食べた料理の感想が綴られています。スペイン中を訪れてんだなーと感心してしまいました。
温菜とメイン
こういうところに飲みにきたら普段は食べそうにないものを食べてみたい。美食の街、バスクの名物とのことでピキージョピーマンのオゴダイ、エビ身詰めという料理をお願いしてみた。要するに魚介のすり身をピーマンの窪みにぶち込んで焼くか蒸すかしたような料理で、スペインでは割とポピュラーなものらしい。

ピキージョピーマンにすり身をぶち込んだ料理
食べてみると、ソースにはトマトのような甘い酸味があり、ピーマンには青みと少しだけピリリとした香辛料の香りもある。オゴダイとエビのすり身にはしっかりと味がついていて、魚介らしい旨みをたたえている。初めての味覚だけどこりゃ美味しいね。シンプルなトマトソースとピーマンが合うのはナイトシェードだからでしょうか。香りの方向が同じ気がするんですよね。
食事の最後は仔羊のソテー ムルシア風です。ムルシアというのはスペイン南東部にある都市の名前らしい。地中海に近いところからするとオリーブとかトマトとか使った料理がやっぱり名物なのかな。調べてみるとパンの上にポテトサラダとアンチョビを乗せたマリネラという料理が有名らしい。

乳飲み仔羊のソテー
料理に戻るとこのお皿のどこがムルシア風なのか、ナス、ピーマン、ししとう(のような野菜)が使われているようであるけど正直よくわからない。よくわからないがめちゃくちゃ柔らかいし香りのクセも少なくてとても美味しい。スペイン産の羊って初めて食べたような気がするけど少なくともニュージーランド産よりはずっと美味しいんじゃないかと思いました。
最後はペドロヒメネスとオルホをあおってフィニッシュです。特にこのLAUROというオルホが気に入りました。これはガリシア地方、スペイン北西部の地域で作られたお酒らしい。結構アルコール感の強いお酒ですがグラッパらしさもしっかり。かなり酔っ払った状態で店を後にしました。

オルホ・ラウロ
シェフは一見静かですが旅行記の話をすると笑顔でいろいろと教えてくれました。旅行記の続きを読みたいし再訪しなければならないお店の一つになりました。ごちそうさまでした。
↓飲んだお酒
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